第19話|算数教材の優先順位を全部見直した話

教材レビュー

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―「全部やらない」ことを決めたら、学習が一気に前に進んだ―

小石川中等教育学校を目指す中で、
算数についてはずっと、ひとつの違和感がありました。

「この算数、本当に全部必要なのか?」

難関私立向けの教材は質が高い。
でもそのすべてが、小石川の適性検査で点になる算数なのかというと、正直疑問もありました。

第17話では、
「小石川では優先度を下げてよい算数」を整理しました。

今回はその続きとして、

  • どんな算数を削るのか
  • どんな算数に時間をかけるのか
  • 実際に使っている教材をどう振り分けたのか

を、具体的な教材名・単元名レベルまで落として書き切ります。

小石川算数の大前提

「解ける」より「説明できる」

まず最初に、何度でも書いておきたい前提があります。

小石川の算数は、

  • 超高速計算
  • 神がかったひらめき
  • 定理を知っているかどうか

を競う試験ではありません。

求められているのは一貫して、

  • 条件を正確に読み取れるか
  • 情報を整理できるか
  • その考え方を言葉で説明できるか

です。

だからこそ、
「算数が得意=計算が速い」では通用しません。

優先度を下げてよい算数(再整理)

① 超技巧的な計算

四則計算は正確に。
分数・小数の変換は即答できる。

これは大前提です。

ただし、

  • 桁を減らすための特殊テク
  • 私立難関校特有の計算ショートカット
  • 計算力で殴るタイプの問題

は、小石川では費用対効果が低い

👉 計算は「道具」であって「主役」ではない
👉 計算で圧倒する必要はない


② 数の性質の難問(職人芸)

※ここ、誤解されやすいので丁寧に

数の性質そのものは重要です。
ただし深さが違う

優先度を下げてよい具体例

例1:合同式寄りの余り問題

ある数を7で割ると3余り、
11で割ると5余る。
この数の最小値を求めよ。

  • 条件処理が重い
  • 式の整理が主
  • 説明文に落としにくい

👉 私立算数では王道
👉 小石川では評価されにくい


例2:整数条件ゴリゴリ問題

3x + 5y = 1 を自然数条件で解け

いわゆるディオファントス方程式型。

  • 整数操作が主役
  • 思考の流れが見えにくい

👉 小石川では「そこまでの整数処理」を要求しない


例3:「規則性」に見せかけた職人芸

  • 表を書かせない
  • ひらめき前提
  • ブラックボックス解法

👉 小石川が見たいのは
「表にして説明する力」


小石川で必要な「数の性質」

  • 約数・倍数の意味
  • 余りの考え方
  • 規則を言葉で説明できること

難問の深追いは不要です。


③ 図形の定理ゴリ押し難問

ここは、かなり明確に線を引けます。

優先度を下げてよい具体例

  • 補助線3本以上
  • 「この角=この角」に気づかないと詰む
  • 円の角度追い地獄

👉 小石川では
「気づいた人だけ解ける問題」は出にくい


優先度を下げてはいけない算数

逆に、絶対に落とせない分野は明確です。

  • 割合・比・速さ
  • 場合の数・規則性
  • 面積・体積・グラフ・文章題

共通点はすべて、

条件整理 → 計算 → 説明

が一本でつながること。


教材の優先順位を全部振り直した

ここからが本題です。

「どの教材を使うか」ではなく、
**「教材のどこを使うか」**を決め直しました。

優先順位の定義(3段階)

A:最優先
小石川の適性検査に直結。
やれば点に変わりやすい。

B:優先
Aを支える土台。
深追いはしない。

C:後回し
私立技巧寄り。
費用対効果が低い。


Z会グレードアップ問題集(小5・文章題)

A(最優先)

  • 時間・速さ
  • 平均
  • 論理クイズ
  • 円周の利用
  • 投票問題
  • 式の意味を読み取る
  • 割合
  • 概数

👉 「資料→立式→説明」の練習に直結

B(優先)

  • 分数
  • 倍数・約数
  • 体積
  • 図形の基本

C(後回し)

  • 図形パズル
  • 自信をつけよう系

Z会グレードアップ問題集(小6・文章題)

A(最優先)

  • パスカルの三角形
  • 式の見方
  • カレンダー
  • 拡大縮小
  • 場合の数
  • 数え上げ
  • 速さ
  • 旅人算・流水算・通過算

C(後回し)

  • 計算チャンピオン系
  • 中学数学さきどり

👉 「計算力アピール」より「関係整理」


Z会グレードアップ問題集(小6・計算図形)

ここはAだけ先に回す

  • 比・割合
  • 比例反比例
  • 拡大縮小
  • 資料整理・グラフ
  • 逆算
  • 面積比
  • 場合の数

中学受験/算数プロジェクト40の使い方

この教材は辞書的運用が最適。

A章(必須)

  • 条件整理
  • 割合・比
  • 速さ・グラフ
  • 場合の数
  • 面積比
  • 総合問題

B章(基礎)

  • 分数
  • 図形の基本
  • 相似(比に落ちるところまで)

C章(原則スキップ)

  • n進法
  • つるかめ算
  • 技巧寄り数列

👉 Beginner → Challenge → Expert は
A章だけ段階的に


塾技100は「辞書」として使う

塾技100は全部やる教材ではありません。

  • A:引く価値が高い型
  • B:弱点補強
  • C:趣味の世界

👉 迷ったらAだけ引く

塾技100(算数)A/B/C(熟技1〜100)

A:最優先(小石川で“点になりやすい核”】【条件整理・比・グラフ・速さ・場合分け】

  • 条件整理・文章題の核
    2, 4, 5, 6, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18
  • 速さ・旅人・グラフ系(適性の王道)
    19, 20, 21, 22, 23, 24, 25
  • 図形×条件(点の運動/求積・巻きつけ)
    26, 33, 34, 35
  • 比・割合の拡張(連比/比例配分/倍数算/年令/逆比/速さと比)
    52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60
  • 水量・容器・水位グラフ(資料読みの総本山)
    61, 62, 63
  • 面積比・相似・最短距離・影(図形×比の得点源)
    65, 66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78
  • 規則性・場合の数(表/樹形図/順列組合せ/道順)
    85, 86, 87, 88, 92, 94, 95, 96, 97, 98, 99, 100

B:優先(Aを解く“材料”。ただし深追いしない)

  • 計算・分数系の土台1, 3
  • 角度・基本平面図形27, 28, 29, 30, 31, 32
  • 図形の移動・転がり(基礎理解用)36, 37, 38, 39, 40
  • 立体・展開図・積み重ね・くり抜き・回転体41〜48
  • 切断(頻出ではないが武器になることあり)49, 50, 51
  • 三角定規の辺の比64
  • 数の性質(約数/倍数/GCD・LCM/商と余り)79, 80, 81, 82, 83, 84

C:後回し(費用対効果が下がりやすい)

  • つるかめ算(型暗記化しやすい)7, 8
  • 特殊寄りの数の規則89, 90, 91
  • N進法(出る可能性はあるが時間効率は低め)93

使い方(辞書運用のおすすめ)

  • **Aは「困ったら開く索引」**にする(付箋をAだけ厚めに)
  • Bは“必要になったら参照”(復習や穴埋め用)
  • Cは原則スキップ(時間が余ったらでOK)

算数教材で一番大事だったこと

最後に、今回の見直しで一番大きかった気づきを。

「全部やらない」と決めた瞬間、
算数が“戦略”になった

教材を減らしたわけではありません。
優先順位をはっきりさせただけです。

その結果、

  • 学習に迷いがなくなった
  • 親も説明できる
  • 子どもも「なぜやるか」がわかる

算数が、
消耗戦から設計された学習に変わりました。



最後に(読者の方へ)

同じように、塾なしで試行錯誤しているご家庭の参考になれば嬉しいです。

また私たちと同じように日々の学習で迷っている方の参考になれば嬉しいです。

これからも、親子で楽しみながら続けていきます。


次回予告

👉第20話|国語教材の優先順位を全部見直した話 https://koishikawa-juken.com/?p=767

次回は、
実際に使っているテキストのチャプター別に、どこを優先し、どこを後回しにするか
を具体的に整理していく予定です。

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